テレワーク・スモールビジネスの社会的要請からにわかに存在感を増したコワーキングスペースの類。
家では仕事が捗らないノマドワーカーの居場所として、社外での気軽なミーティングスポットとして、コロナ禍で大きなオフィスを持てなくなった企業の代替基地として・・・さまざまなニーズの受け皿となり、需要を増している。
世情が今後どう動こうとも、オフィスを飛び出たワーカーが浮動するこの状況はしばらく続くと思われる。この機に、スペースシェアリングを運営する側に回ろうという人も少なくないのではないか。
定番は「ベース」「スペース」「ラボ」など
「ベース」「スペース」「ラボ」「サロン」「オフィス」「プレイス」「ラウンジ」・・・。
それぞれ基地とか空間、研究所や客間、などなどの意味で使われる単語。
「(働く人が)集う場所」という店舗の業態が分かりやすく、スタイリッシュな雰囲気もあることからこの業界で好んで用いられている感がある。ただそれだけに、後発の側が安易にネーミングに採用すると没個性的になりかねないというジレンマも。
実例
co-ba(コーバ)
都内のみならず花巻、気仙沼、郡山、近江八幡、八頭、呉、宮崎などローカルなニーズもカバーするシェアオフィス。
「工場」や「共有する場所」という思いを込め名付けた
という通り、「こうば」「公(の)場」あるいはCo-workingの「co-場」と連想できるネーミングになっている。
SENQ(センク)
中央日本土地建物グループによる運営のオープンオフィス。
「先駆」に由来し、時代の先駆けとなるイノベーターたちを応援するブランドです
引用元:パートナー企業25社と提携
既存の場所に留まらない、先進的なイメージを表現。「KU」の代わりに「Q」と置くのは独自性やSEO的観点に見る基本。
HAKADORU(ハカドル)
新宿三丁目、虎ノ門、大森に店舗を置くコワーキングスペース。
幅の広いテーブルやワークチェアなど、ハカドルための空間づくりにこだわりました
引用元:HAKADORU | 新宿三丁目と虎ノ門にあるコワーキングスペース×カフェ。ドロップインで電源・WiFiがすぐに使えます。貸会議室も完備。
言うまでもなく仕事や会議、趣味の読書や勉強が「捗る」場所。日本語、特に動詞を横文字にする手法は親しみやすさとこなれ感が同居する。
Cの辺り(シーのあたり)
茅ヶ崎・サザンビーチのシンボル「茅ヶ崎サザンC」をご存知だろうか。
CHIGASAKIの「C」を取ったもので、円の遥か向こうにエボシ岩が見える位置に置かれた上記のようなチタン製のオブジェである。その近隣に『Cの辺り』はある。
ちょっと変わった名前の由来は、茅ヶ崎の海のシンボル的モニュメント「サザンC」の目の前にあるから。
これ以上ないくらい明快なネーミング。湘南の穏やかな雰囲気にも、ゆるっとした店名がマッチしている。
TPOではないけれど、立地と商号の硬度みたいなものもバランスを取る必要があると思う(都心のビジネス街でこの名前は向かない、とか)。